北の家具の町でSuperleggeraに出会う
更新日:2022年11月11日

先日所用で訪れた北の大地。
空から見えてきた十勝連峰の頂きは真っ白。
そして朝晩はいきなり氷点下。
体が覚醒する感じです。
所用の合間を縫って美術館、博物館へ足を運んでみました。
まずはJR旭川駅にある中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館ステーションギャラリーへ。
立地といいその大きさといい、電車の待ち時間を利用して訪れるのにもよいです。
企画展を定期的に開催しており、常設には砂澤ビッキの「天塩川 蝶と鮭」があります。
大きな木彫で、しかもギミックがありそうなつくり。
ただでさえ大きいのに間近で見るとさらに圧倒されます。
緑青のような表現をした緑青色も目の前です。
砂澤ビッキは5年ほど鎌倉で居を構えていたので
時代も違い、会ったこともないのになんとなく北で再会した気持ちに。
企画展「デザインの原型 ~プリミティブからデザインへ ~」が開催中で
こちらもなかなかおもしろい展示でした。
世界中の日常使いの道具から工芸品までを椅子コレクターの集めたものを展示しており
ジオ・ポンティの名作のひとつSuperleggeraにも出会うことができました。
興味深かったのがSuperleggeraの原型といえるキアヴァリーナが
並べて置かれていたことです。
二つの椅子の誕生は150年の隔たりがあります。
リーグリア州の街キアーヴァリで誕生したキアヴァリーナは
その重さが無垢材でできているのに2kgにも満たない軽い椅子。
座面の編み込みは手工芸の美しさのみではなく、
椅子の強度を保つ役割も兼ねています。
改めて細やかな編み込みに目が奪われました。
一方、ポンティのSuperleggeraはさらに装飾性をなくして
1950年代の経済成長期のイタリアの生活様式にあったデザインに
再構築されたともいえるデザインです。

このような機会に恵まれたのも家具の街、旭川ならではの展示なのかとも
思います。
話はギャラリー外に飛びますが、ギャラリー外のコンコースや
旭川駅併設の観光案内所には、旭川家具のデザイン家具に
だれもが座れる場所があります。
駅の日だまり、休憩スペース、ラーメンを食べる食堂にも
デザイン性の高い椅子が置かれています。
話は戻り、
他にも気になったものをいくつか。
アフリカのレードルや中国の靴など。
靴は履きたいデザイン。
どなたかぜひつくってください。
かなりの切望。
企画展「デザインの原型~プリミティブからデザインへ~ 」
2022年9月6日(火曜日)~11月13日(日曜日)
中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館ステーションギャラリー(JR旭川駅)
午前10時30分~午後6時30分(入館は午後6時15分まで)
毎週月曜日休館
入館料無料
この企画展をきっかけに織田コレクションとそれにまつわる
旭川界隈のつながりを知る機会を得たことはよかったことです。
このあと博物館にも行くのですが、
そちらはまた改めて記します。
今週も木~日曜日でオープンしております。
capricci OFFICINA134
江ノ電由比ヶ浜駅より歩いて5分。
神奈川県鎌倉市由比ガ浜4-10-20
由比ガ浜SOHO'S No.3(2階)です。
駐車場1台 No.5 狭小です。
自転車、二輪車もご利用ください。