イタリアの踵から船でギリシャへ 【旅の振り返り録】
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イタリアの踵から船でギリシャへ 【旅の振り返り録】

すべての道はローマへ続くのか? という何年も前の記事で

疑問を投げかけておきながらその後の記事は

書いたつもりで書いていなかったという、

さすが日記なるものを続けられないヒトだと

呆れてしまった。


自由に動くこともできない疫禍の中で写真整理でイタリア旅行を始めたので、

こちらで自分の覚え書きとして旅の続きを綴りたい。


アッピア街道の終点を見たくなって始めた旅、

プーリア州の海街を移動しながら長靴のヒールのブリンディジへ。

初めてのブリンディジの街は古代から人々が行き交っていた歴史のためか

秋の閑散とした時期でも寂しさはなく

遠い国の旅行者が歩いていても物珍しそうに眺められることもなく

快適であった。


駅からまっすぐ港まで延びる通りはブリンディジの港へ。

通りの両脇には椰子の木が植えられていて南の香りがした。

港ではあるがギリシャまで行きそうな船が停泊している気配がなかった。

観光シーズンを過ぎた街は観光案内所のようなものも目立ったところにはなく

さて、夜の出航までに港行きの情報は誰にもらおうと目抜き通りをうろうろする。

暗くなる前には移動しておきたいと、港の先端で聞いてみると

船が出航する港はずいぶん遠いとのことで、

観光シーズンからはずれた10月には港へ行く手段もわずかしかないと言うことであった。


あわてて港まで行ってくれる車を探して乗車する。

自分の乗る船の会社と出航時間と、当時はスマートフォンを使っていないので

手の中の探してくれる地図もない。


人は見た目で判断してはいけない物の、

倉庫街のような港湾を走る強面のドライバー、

そしてちょうど細かいお金を持ち合わせておらず、

チップを入れてもおつりが必要であったときの反応といい

ギリシャに行く前に倉庫の並ぶ港湾都市でまさか

などと映画の見過ぎのような結末も描きながら

車は港へ。

おつりがないから調達してくるから待っててのことばに

おつりは捨てて逃げた方がいいのかと思ったりもしたが

おつりを携えてもどって来たドライバーは

強面ながら少し笑みを浮かべ旅の無事を祈ってくれた。


黒い煙を出した船が待っていた。

乗り遅れたくないので乗船して出航までの時間を過ごした。


アッピア街道終点の古代ローマの柱と向かい合って建つ

水夫の記念碑に見送られながら船はゆっくりブリンディジの港を離れた。

辺りは暗かった。


翌朝目が覚めてデッキにでると対岸のギリシャが見えてきた。

アルバニアは暗い内に通っていると思うのですでに過ぎてギリシャであろう。


おはようギリシャ。

目指すはまだ先のパトラの港。

友人の待つアテネはそこからさらに遠い。



 

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